次世代太陽電池「ペロブスカイト」に注目集まる──その仕組みと可能性とは?
こんにちは。
株式会社楽塗です。

〜軽量・高効率で実現する、建物・設備のスマート発電〜
カーボンニュートラルへの取り組みが企業経営に直結する時代。
2026年以降、都市部の新築ビルに太陽光発電の設置が義務化される動きも進んでおり、“再エネの導入”は選択肢ではなく要件になりつつあります。
こうした中で、これまで設置が困難だった場所でも利用可能な新技術として、今最も注目されているのが「ペロブスカイト太陽電池」です。
本記事では、企業にとっての導入メリット、既存設備との違い、最新の動向まで詳しく解説します。
■ ペロブスカイト太陽電池とは?
従来型パネルの課題を解決する新素材
ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト構造を持つ化合物を光吸収層に使った太陽電池で、次のような特徴があります。
特徴 | 内容 |
---|---|
高効率 | 研究段階で25〜30%に迫る効率。シリコン型と同等以上に成長中 |
超軽量・薄型 | 数μmレベルの薄さで、建物の壁や窓にも設置可能 |
フレキシブル | 曲面や垂直面にも対応し、デザイン性を損なわない |
低温製造 | シリコンと異なり、高温炉不要。製造エネルギーが低い |
印刷製造可能 | ロールtoロール印刷技術で量産性が高い(低コスト化が期待) |
■ 従来型とどう違う?設置の柔軟性とデザイン性
これまで企業施設に太陽光パネルを導入する際、最大の課題は**「屋根面積」「荷重制限」「景観との調和」**でした。
しかし、ペロブスカイト太陽電池なら──
- ガラスやアルミパネル一体型製品として外壁そのものに発電機能を付加
- 重量が軽いため屋根補強工事が不要なケースも
- 窓ガラスに貼れる「透明型太陽電池」の開発も進行中
つまり、「場所の制約を受けず、設備・建材に統合」することで、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の実現に直結します。
■ 企業導入の主なメリット
① ESG・SDGs対応(非財務評価への対応)
- CO₂削減量が可視化できる
- サステナビリティ報告書・統合報告書の材料に
② 補助金・優遇税制の活用
- 経産省・環境省のZEB導入支援、再エネ設備導入補助など
- 「建材一体型」なら別枠での補助制度が利用可能な場合も
③ 非常用電源の確保とBCP強化
- 軽量モジュールで可搬型発電設備を自社構築
- 停電時も最低限の電力確保が可能
■ 導入・商用化の最新動向(2025〜2030)
現在、国内では以下の企業が主導し、商用化の実用段階に入っています。
企業名 | 主な開発内容 |
---|---|
積水化学工業 | 外壁材一体型ペロブスカイト(PVTパネル) |
東芝 | ガラス搭載型ペロブスカイトの量産技術 |
パナソニック | 住宅用透明太陽電池のプロトタイプ開発 |
京大発ベンチャー「エネコートテクノロジーズ」 | ロール印刷型ペロブスカイトの試作販売開始 |
特に2025年〜2026年にかけてはBIPV(建材一体型PV)としての採用が拡大する見通しで、建設・設備・ゼネコンとの連携が鍵となります。
■ 今後の課題と技術開発の動向
課題 | 対応の方向性 |
---|---|
耐候性(紫外線・湿気) | 保護フィルムや多層構造での耐久性向上が進行中 |
鉛使用 | 鉛フリー材料への置き換え研究が進行 |
大量生産・安定供給 | 印刷方式の最適化と国内サプライチェーンの整備 |
すでに10〜20年耐用性をもつ製品の開発も実証段階に入り、オフィス・工場等への本格導入に現実味が出てきています。
■ まとめ:早期検討が将来の競争力に
ペロブスカイト太陽電池は、従来では設置が難しかった“場所”にも発電機能を持たせることができる革新的な再エネ技術です。法規制対応・ESG戦略・設備コストの最適化を同時に叶える可能性を持つことから、
◆ ZEB化を進める企業
◆ 施設の外観を損なわず再エネ導入したい不動産事業者
◆ 中長期でBCPを強化したい製造業・物流施設
には特にメリットが大きい分野です。
今後、製品価格や補助制度が確立されれば、「導入タイミング」が投資効率を大きく左右する時代になると考えられます。
ぜひ、自社施設への適用可能性を今から検討してみてはいかがでしょうか?