遮熱塗装の選び方
こんにちは。工場・倉庫・マンション・アパート等の修繕を行っている楽塗です。
外壁や屋根の大規模修繕を検討する際に注目を集めているのが「遮熱塗装」です。
昨今の電気代高騰やSDGsへの取り組み強化により、企業としても空調負荷軽減・省エネ対策・環境配慮が求められる時代になっています。
本日は、大規模修繕における遮熱塗装の選び方について、メリット・塗料比較・導入の流れ・注意点までを詳しく解説していきたいと思います。
1. 遮熱塗装とは?
遮熱塗装は、太陽光の赤外線を反射し、外壁や屋根の表面温度上昇を抑える塗料を用いた施工方法です。
通常の塗装と比べ、夏場の表面温度を10〜20℃程度下げられるケースもあり、その結果、建物内部の温度上昇を抑制します。
【導入メリット】
- 空調費削減(電気代を年間数%〜20%削減する事例あり)
- 従業員の労働環境改善(オフィス・工場・倉庫の暑さ対策)
- CSR・ESG経営への貢献(CO₂排出削減、環境配慮型企業イメージ)
- 建物寿命延長(熱による膨張・劣化を抑制)
2. 遮熱塗料の種類と比較
大規模修繕では、長期耐久性とトータルコストが重要です。以下は代表的な塗料の比較です。
塗料種類 | 耐久年数 | 遮熱効果 | 初期コスト | 特徴 |
---|---|---|---|---|
シリコン系 | 約10〜15年 | ○ | 中 | コストと性能のバランスが良い。 |
フッ素系 | 約15〜20年 | ◎ | 高 | 大規模修繕でよく選ばれる。再塗装サイクルを減らせる。 |
無機系 | 20年以上 | ◎ | 高〜非常に高 | 耐候性最強。メンテナンス周期を大幅に延長可能。 |
遮熱断熱ハイブリッド | 約15〜20年 | ◎(断熱効果あり) | 高 | 冬場の省エネ効果も期待できる。 |
3. 遮熱塗装の色選びと効果
選ぶ色によって遮熱効果は大きく変わってきます。
- 白や淡色系 → 遮熱効果が高い(赤外線反射率が高い)
- 濃色や黒系 → 遮熱効果が低下
ただし、企業建物の場合は「ブランドイメージ」「景観調和」も考慮が必要です。
近年では「濃色でも遮熱効果を高める特殊顔料」を使った製品も登場しています。
4. 遮熱塗装の費用(大規模修繕の場合)
大規模修繕ではスケールメリットが働き、1㎡あたりの単価は一般住宅よりも安くなる傾向にあります。
項目 | 費用目安(1㎡あたり) |
---|---|
シリコン系遮熱塗装 | 2,500〜3,500円 |
フッ素系遮熱塗装 | 3,500〜5,000円 |
無機系遮熱塗装 | 4,500〜6,000円 |
※足場・下地補修・シーリング補修などの付帯工事を含めると、総額はさらに増えます。
5. 遮熱塗装の選び方 〜企業視点のポイント〜
(1) ライフサイクルコストで比較
- 初期費用だけでなく「耐用年数」「再塗装サイクル」を考慮
- フッ素・無機系は高額だが、20年単位で見るとコスト削減につながる
(2) 省エネ効果を数値で確認
- 遮熱性能は「日射反射率」「遮熱保持率」などで比較可能
- メーカー資料だけでなく、第三者機関の試験データを確認する
(3) SDGs・ESGの視点
- 環境報告書に「省エネ効果」「CO₂削減効果」を明記できる
- 企業ブランディングや入居テナントへのPRにも活用可能
(4) 実績のある業者を選定
- 大規模修繕の経験が豊富か
- 塗料メーカーの「認定施工店」であるか
- 保証内容(5〜10年の遮熱性能保証が望ましい)
6. 導入事例イメージ
ケース1:オフィスビル(延床12,000㎡)
- フッ素系遮熱塗装を採用
- 夏場の冷房費 15%削減
- 年間約600万円の電気代削減
ケース2:工場屋根(折板屋根 8,000㎡)
- 遮熱断熱ハイブリッド塗料を採用
- 室温上昇を平均6℃抑制
- 作業環境改善により従業員満足度向上
7. 遮熱塗装導入の流れ
- 現地調査(外壁・屋根の劣化診断、温度測定)
- 塗料選定(複数メーカーの比較検討)
- 施工計画立案(工期・工程・稼働への影響確認)
- 施工実施(安全管理・工程管理)
- 効果検証(施工後の温度測定、電気代比較)
8. 遮熱塗装の注意点
- 汚れやカビで遮熱効果が低下する → 定期洗浄が必要
- 冬の暖房費削減には直結しない → 断熱材との併用を検討
- 初期コストが高い → 省エネ効果とライフサイクルで判断
まとめ
企業の大規模修繕における遮熱塗装は、空調費削減・従業員環境改善・環境貢献という3つの効果が期待できます。
- 短期コスト重視 → シリコン系
- 長期コスト重視 → フッ素・無機系
- 環境配慮+快適性重視 → 遮熱断熱ハイブリッド
特に、企業ブランド価値の向上やSDGs経営の一環として導入する事例も増えており、単なる塗装工事以上の投資効果があります。
遮熱塗料の導入の際は、塗料選びと施工業者選びが大変重要になってきます。
弊社では遮熱塗料や遮熱アルミシートなどを数多く取り扱っており、ご要望に応じたご相談も可能です。
大規模修繕をご検討の際は、ぜひご連絡をお持ち申し上げております。